02Decide What to Build

調査と事業課題から、
作るべきものと順序を決める

シードスタートアップの一人目プロダクトデザイナーとして、日報業務のリサーチから課題定義、UX・UI、開発ロードマップまでを担当した。16人の業務を観察し、GPSデータからシステムが下書きを作る体験を設計。100件以上の要望を、事業の成長順序に整理した。

手書きの日報と、GPSデータから日報を作成するレポサクのスマートフォン画面
Role
1st Designer / Lead Product Designer
Team
CEO / CTO / Engineers — 9-person seed startup
My Ownership
Research / Product Definition / UX・UI / Roadmap
Duration
2022–2025
調査対象16
整理した要望100+
導入効果日報提出率UP
事業成果他業種へ展開

01 Discovery

16人が帰宅するまで、
日報業務を観察する

Context

農業から除雪、ごみ収集などへ事業を広げるため、車両を使う現場の日報を標準化する構想があった。社内には多くの機能要望があったが、何から作るべきかは決まっていなかった。

要望を画面に並べる前に、農作業の終了から事務所への集合、日報の記入・提出、全員の帰宅までを観察した。

Insight

問題は紙ではない。

一日の終わりに、記憶から日報を作る業務そのものだった。

Observed

  • 作業終了は20時23分、解散は22時31分
  • 一日の行動を記憶から思い出して記入
  • 時間の丸め方が人によって異なる
  • 運転中のメモの内容と粒度が揃わない
  • 全員が書き終わるまで待機
  • マネージャーが16人分を再集計

02 Product Decision

人が書くのではなく、
システムが事実を下書きする

Decision

レポサクには、車両がいつ、どこを走ったかを示すGPSデータがある。そこで入力フォームを作るのではなく、GPSデータから日報の下書きを自動生成することにした。

入力しやすい日報フォームではなく、入力そのものを減らす業務フローを設計した。

Before

記憶から一件ずつ入力手書きをスマートフォン入力に変えても、作業者は一日の行動を思い出し、時刻と内容を入力しなければならない。入力項目を増やせば、データは詳しくなっても提出の負担は増える。

After

システムが作った下書きを承認 GPSの位置と時間を基準に、必要な部分だけを分割・修正する
GPSログから自動生成された日報のシーン一覧と編集画面

03 Roadmap

100件以上の要望を、
事業の成長順序に変える

社内の機能要望と調査から得たアイデアを合わせると、改善候補は100件を超えた。すべてを同時に作るのではなく、現場がすぐ使える状態から、分析や他業種展開に耐えられるデータ基盤へ成長する順序を定義した。

個別の機能要望を優先順位づけするのではなく、プロダクトと事業が成長する順序を設計した。

Phase 1: まず提出できる

GPSデータから、スマートフォンで日報を作成・提出できる。

Phase 1.1: 継続して使える

提出状態、代理提出、修正、ヘルプなど、実運用に必要な体験を整える。

Phase 2: 事業に活かせる

集計、CSV、請求、分析、他業種展開に耐えられるデータ品質へ広げる。

04 Product Structure

現場の例外を、
異なる業種でも破綻しない構造へ

例外を機能として足すのではなく、異なる現場を受け止められる共通構造として設計した。

Multiple People

一台の車両に、複数人が乗る

ログを個人へ固定せず、会社全体のデータから自分の作業を選べる構造にした。

Without GPS

GPSデータがない日もある

事務や整備の日も、GPSがある日と同じ導線で手動提出できるようにした。

05 Impact

記憶から書く日報を、
事実を確認する業務へ

Operational Impact

日報の正確性と提出率が向上

GPSログのタイムスタンプを基準にすることで、手書きよりも時間情報の誤差を抑え、日報データの信頼性を高めた。日報作成の半自動化によって提出率も向上している。

Business Impact

分析への活用と、他業種への展開

蓄積した日報データは、請求や業務分析への活用が進んでいる。さらに、日報業務の共通構造を捉えたことで、農業だけでなく、ごみ収集や除雪など、車両を使う他業種への採用にもつながった。